◇東雲庵◇2014〜2017◇


①いつもどうやってアイディアを出しているか?

mira!さんはタイトルを先に考えるそうです。目から鱗でした。うーん、素敵。面白そう。一度やってみたいものです。

わたしはいままで書いたもの全部、内容が先にあって後からタイトルをつけています。短編は全て、完結してからタイトルを改めて考えてます。
あ、でも『月の恋人』だけは先に漠然としたイメージでポラリスの楽曲からタイトルをいただいて、後から内容を沿わせていった部分があるかも。作中で翔くんが言う太陽と月の例えは完全に後からこじつけ(というと感じが悪いか)です。「不思議だな。西洋では太陽が男性、月は女性の象徴だけど、ここ日本ではそれが逆なんだ…」の部分ね。タイトルからあのシーンが生まれたというか。自然に、内容が沿うものになっていくのが不思議だけど、そういうことってままあるよねぇ。漱石先生の『門』という作品は人気作家だった当時に新聞社にせっつかれて、「では『門』とでもしておきなさい」と、とりあえずタイトルだけを伝えて、そこからどんどん書いていったということですよ。でも、あとから振り返ってみれば「門」が確かに物語の要であったそうな。「宮崎美子のすずらん本屋堂」で聞きかじった話ですみませんが。

で、失礼!
話が逸れたけど質問の本筋はアイデアの源ですね。(笑)

基本的なことですが
無いところからは出ないです。

だから「インプットする」という行為を日々大切にしています。書くことに限らず、リアルの仕事もどちらかといえばアウトプット(発信)の類なので。

知識にしろ経験にしろ、いったん自分のフィルターを通して身のうちに蓄積しておく。見て、聴いて、触って、嗅いで、味わう。ちゃんと、自分の身体で確かめる。未知未踏のものに対して、法に触れるとか倫理的に明らかにNGなもの以外は(笑)「とりあえず行ってみる、やってみる。」が人生の基本姿勢。これはもう昔から。矯正下着とかエステとか脂肪吸引とか痛い目もいっぱい見たぜ、けど。(※美容整形(顔)とレーシックは未経験ですがこれは多分これからもやらない)

何か書くにあたって、自分の中に無いのにひねり出さなきゃならん、という必要性に駆られるレベルではまだ全然ないので。(ね、作品が少ないからこういう答えになるのよね。すみません、、、)今のところ、経験したことを元に膨らませて書いてます。

②アイディアが出やすい場所

これはつまり「こういう作品を書きたい!」という衝動が生まれる場所、という風に理解しますね。

一言で言うなら【心が動いたとき】。

感動、というとちょっとニュアンスが違うんだけど。ウルウルするような綺麗なイメージじゃなくて、心って「ぐおおーん!」と動く瞬間があるんですよね。ガクガク揺れたり、大きく跳躍したり、形は様々なんですけど。

たとえば『銀杏の下で』はちょうど秋の初め、銀杏の黄金色がとても鮮やかで美しくて、たまたまバス待ちの列で智恵子抄を読んでいて、手元の文庫本に書いてある切り絵(架空)の様子と地面に落ちてきた銀杏の葉(現実)が突然シンクロしてうわぁぁあ!!ってなったんです。←なんだそれ これだ!銀杏の葉っぱのこの完璧なまでに美しい形は智恵子のシムメトリイだ!!と。
だから、あの冒頭はわたしの実体験です。そういう風に、何かと何かが奇跡的に「繋がる」瞬間って日常に結構ある。で、この心の動く(動いた)瞬間を書き留めておきたい!という衝動が今のところ、創作の主な原動力です。ただ、それが何処で生まれるかは私にも分からない。出会いはいつも、突然に。
(あーのー日あーのーとーき、あーの場所できーみーに会ーえなかーったらー♪)

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