【短編】恋愛妄想症候群
放課後、体育委員のあたしは、体育倉庫を整理しに行った。

「えっと、これはぁ……」

ガチャ―――

ビクッ


音がしたほうに視線を向ける。

あたしは、一瞬目を疑った。

だって、

そこにいるのが、小口君だったから。

「あ、ごめん。びっくりした」

「ううん。大丈夫」

変な空気が流れる。

「あの」

「あの」

2人同時に声が重なる。

「な、なに??」

「そっち先にどうぞ」

「……前、ぶつかった、よな??」

「えっ、あっ、うん。小口君、だよね??」

覚えてくれてたんだ。

嬉しい。

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