茉莉花の少女
第2章 昼食契約
 嫌になるほど澄んだ空だった。

 この時期の晴れやかな気候も、風も、ざわめく緑も、鮮やかな花々も全てが嫌いだった。

 教室に入ると、僕の席に昨日会ったばかりの姿があった。

 自分の席に行くと、彼を見た。

「何か用か?」

 どうせ昨日のことでも説教をされるのだろう。

 どうして彼女に親切にしなかったのかとか、約束が違うといったそんな話。

 しかし、今の僕にはそんなことどうでもよかった。

 どうでもよかったが、そんなことをわざわざ口に出すと、人間関係が成り立たないことくらい分かっていた。

「お前、茉莉先輩とつきあっているのか?」
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