茉莉花の少女
「茉莉先輩?」

「ケーキあるんだよ。頑張って作ったの」

「先輩が一人で?」

「お兄ちゃんに手伝ってもらった。でもね、飾り付けはわたしがしたの」

 彼女が運んできたケーキは意外と綺麗に飾りつけがしてあった。

 いちごの置いてある場所がやけにいびつなのは気になったが、恐らく、これは何箇所かは手が滑ってイチゴを落としたのか、間違っておいたのだろう。

 見た目が整っていても、どこか彼女らしさを残しているケーキを見て、笑ってしまっていた。

 彼女が作ったケーキを口に運ぶ。
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