茉莉花の少女
第4章 喫茶店で
 気に入らないことがあればすぐに口が出てくる。そして、時には手が伸びてくる。

 彼女のヒステリックな性格が大嫌いだった。

 あの女の気に入らないことがあれば、無関係の人に八つ当たりをする性格が理解不能だった。

 けれど、僕の成長は人より早かった。小学校を卒業する頃には彼女よりも身体が大きくなっていた。

 それから彼女の攻撃は言葉のみになった。

 はむかいたい気持ちがなかったわけではない。

 今まで生きてきた時間から、そうすることが正しくないことくらい分かっていた。

 そして、彼女はそうやって僕を攻撃してくることで、心の平穏を保っているのだと分かっていたから。

 彼女に表面的に刃向ったことはなかった。

 でも、そんな彼女の弱さに気づいてしまった自分の勘のよさを悔いたことはあった。
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