言葉にできない。

目頭が熱くなって、泣くまいと必死に堪えた。


泣くなんておかしいよ。

だって、だって。



トントン。



トントン。



「ちー?いるんでしょ?開けて。」


それはうめちゃんの声だった。


立ち上がり、鍵を開ける。

「うめちゃん…」


「あらあら、なんて顔。入るわよ。」


うめちゃんは静かに千鳥の手を引き、部屋の真ん中にひいてあるラグの上に座った。

< 131 / 238 >

この作品をシェア

pagetop