愛を知らないあなたに
「いえ、人間の・・・しかもあたしの、勝手な考えですから。

鬼様が気にする必要はありません。


それに・・・・・・

今、あたしも鬼様の寝顔を見ました。


だから、おあいこです!」



「・・・・・・・・・そう、か・・・。」



あたしが微笑みながら言った言葉に、鬼様はひとつ頷いた。


そして、じっとあたしを見つめる。




「?なんですか?あたし、何か付いていますか?」


「いや・・・・・・・・・何でもない。」



鬼様は何かを隠すように、ぼそっと呟いた。


そして、ふいっとどこかへ行ってしまった。





「・・・・・・???

絶対、何かあったよね?」



あたしは1人、首を傾げた。


けど、すぐに気持ちを切り替えた。



「まぁ、いっか。

鬼と人間じゃ、きっと感覚が色々違うんだよね。


よし!気を取り直して散策続行するぞー!」



あたしはまた、歩き始めた。




< 60 / 377 >

この作品をシェア

pagetop