いちごパンツのポートレート

SSフランス人形VSからくり人形


母方の従妹にフランス人形のように『非の打ち所のない』容姿の子がいる

名前は槙野愛美(マキノメミ)

愛美ちゃんは『名は体を現す』が如く愛らしく、本当に美しい女の子

伯母の旦那様はアメリカ人だった。

愛美ちゃんは3歳まで両親と一緒にアメリカで暮らして居た。
両親が離婚することになり、伯母と二人で日本に帰国した愛美ちゃん

その当時まだ幼かった私には愛美ちゃんのお父さんの記憶はない。

ストロベリーブロンドの髪色でクルクルの巻き毛

白人独特のピンクっぽい白い肌、琥珀色の瞳を縁取るまつ毛は
瞬きの度に『パサッパサッ』と音が響きそうなほど長いし、

微かに見える鼻梁も将来必ず鼻が高くなることを約束しているようで羨ましく、
イチゴのように真っ赤な唇もバラ色の頬も全てが神々しく輝いて見えた。

私と愛美ちゃんは同じ年…
しかも誕生日がひと月しか違わないけれど、早生まれの私は学年が1つ上になる。

兄妹に兄・姉・弟は居いる。

でも妹だけいなかった私は可愛い妹ができて本当に嬉しかった。

私が小学2年生の夏に伯母の仕事の関係で愛美ちゃんが夏休みの間
我が家で過ごすことが決まっていた。

小学1年生になった愛美ちゃんはその可愛さから先生や男の子からとても人気があったらしい。
だけどその反面…
嫉妬した女の子からは意地悪をされたり、心無い言葉で傷付けられたりして
学校が楽しくないと言っていた。

そんな愛美ちゃんは泣き虫で…

『怖いこと』や『思い通りに行かないこと』があると直ぐにシクシクと泣き出してしまう

最初の頃はそんな愛美ちゃんが年下みたいで妹を庇う様な気持ちもあって何でも彼女の好きな様にさせていた

…でも日を追うごとに何か?

私の中に黒く渦巻く得体の知れないもが息づいているのに気が付いてしまう

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