空色Loveカラー 〜心の内に秘めた恋〜

あ、そう言えば…。





あたしと悠貴先輩はずっと抱きしめあっていた。

「悠貴先輩、好きです」

「俺も繰明が好きだよ」

なんていーあって…。


「悠貴先輩!…なんでユーリが悠貴先輩に冷たいんですか?」

「あぁー。実は…俺、ブラコンなんだよ…。雄李ってすごいカッコいいけど、可愛いんだよ」

「あ!それすっごくわかります!」

確かに、ユーリは甘え上手だ。

「それでね?色々尽くしてたら…冷たくなっちゃったんだ」

さみしそうにため息をつく悠貴先輩。

「ユーリは恥ずかしがり屋ですからね…。今日はユーリに背中を押して貰ったんです」

あたしはあの時を思い出して…思わず頬が緩んだ。

「雄李が?」

「そーですよ?繰明は幸せになるしかないって…。それに、この俺を振ったんだからって…」

「雄李らしいね」



あ、そう言えば…。



「あ、先輩!」

あたし、言わなきゃいけないことがあるんだ!

「ん?」

笑顔であたしを見る先輩。

そりゃ、カッコよすぎて…!



「あ、あのですね?恥ずかしながら…


あたし、難病持ちなんです」


そう、あたしは昔から身体が弱かった。

体育の時、急に倒れたりとか…。

結構やらかした。

「それでも、好きって言って下さい!」

もう、それしか言えないです!

だって…あたし、悠貴先輩を諦められそうにないんだもん!

しょうがないでしょ?

普通なら可愛く

『…好きって言ってくれますか?』

なんだろうけど…。

あたしには時間がないんだ。

しょうがない。

せっかちかもしれないけど…!

「大好きだよ。繰明じゃなきゃ、俺はもう生きてけないよ」

「ほ、ホントに!?……って、あ」

やってもーた!

確実にやらかしました。

…タメ口。

駄目じゃん!あたし!

「あ、付き合うんだから…タメ口ね?それに俺も言わなきゃいけないんだ」

急に真剣な顔。

「実は…俺も…難病持ちなんだ」

え?

「えええぇ!?難病持ち?」

あの悠貴先輩が!?

「うん。もう治らないって言われてる…って、まぁまだ生きてんだけど…」

「先輩、あたしもそーです。こ、子供とか作れそうにないんですが…大丈夫ですかね?」

…実はですね?

あたしの身体は出産に耐えられる身体じゃないってお医者さんに言われたんだ。

結構、夢だったからね。

ほら、女の子の夢じゃん?

一緒に子供と買い物行く…とか!

「俺…子供欲しいよ?」

「えぇ!?」

って…ですよね。

あたしの目に涙が溜まる。

だって、子供欲しいよね…。

あたしは産めないんだ。

「…でも、俺は二人のままでもいいと思う。だって…そっちの方が…アレだろ?」

ニヤリと怪しい笑みを浮かべた悠貴先輩。

こ、これはもしや…!

「俺…繰明がいてくれる未来があるなら…それでいーや」

笑顔で返されるから…あたしもとびきりの笑顔で返すよ?



「「悠貴(繰明)、ありがとう」」



ほら、あたしとアナタなら…幸せで居れる。

王子様とお姫様は…最後は必ずハッピーエンドだよね?
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