空色Loveカラー 〜心の内に秘めた恋〜







最近の繰明は、俺の誘いを断ることが多い。








だから仕事でも全く…集中出来ない。









繰明なりの考えがあるのは分かっているけど…ね?








猫の様な足取りで前を歩く繰明。









俺はポケットで小さな箱を握り締める。








「…繰明」








「なんですか?」









「…もうマイペースでいるの辞める」









「…?」








繰明は首を傾げて俺を眺めている。









「…去年言いそびれた言葉…今言いたい」








俺は真剣な顔で繰明を見つめる。









ーーーー去年。







俺はプロポーズするのを失敗してしまった。







とても良いムードで、夜空を見上げていたら…。








突然の雄李からのメール。








そこには、
【プロポーズはすんなよ!】
との文字が…!








俺は恥ずかしくなって、結局言えず仕舞い。









今度こそはと、意気込んでいる。









「…ん?」








繰明は俺に近づいて来て俺の顔をジッと見つめる。







「…先輩、顔真っ赤ですよ?」







フッと笑みを漏らす繰明。








その手は俺の頬に触れて…。








更に顔が熱くなる。








「…結婚して欲しい。ずっと…隣に居て貰いたいんだ。繰明のこと幸せにするから…だから、っ!?」











俺は思わず言葉に詰まる。







「…おっそいですよ!馬鹿!」







繰明の目から大粒の雨がボタボタと降る。











「…え?」










「遅いの!わかる!?去年せっかくあたしがプロポーズ出来る様に仕向けたのに!」










「…っ」






あの時の繰明は…確かに、色っぽかったけど!







あれ、仕組んでたんだ!?










「…ご、ごめん」








「何度も機会作ってあげたじゃない!裕貴の馬鹿!」









説教をくらってる俺。






ん?







悠貴?









俺が驚いた時には、繰明は俺に抱きついていた。










「…大好き。…秘書もやる。…すっごい好き」







繰明は泣きながら笑う。








俺も笑って、繰明の涙を拭う。








「…うん。俺も好きだよ」







繰明の指に指輪をつける。









ーーパシャ!








え?
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