君、想い。
「あの、若、つきましたけど、、、、」


ドアを開けてさっきまでリムジンを運転していたこわもてのサングラスをかけたお兄さんが私たちをみてきまずそうな顔をしている。


一方、若と呼ばれた鈴は私から離れようとせずにずっと抱き付いてる。


「鈴、いい加減に離れて」


「いやだ」


さすがに私も人前でこういうことはしたくない。


というかもう5分ぐらいずっとこの状態なのだ。


仕方ない、実力行使といきますか。


「鈴、離れないと蹴るよ」


一応警告はする。さすがにいきなりじゃ鈴にも悪いし。


鈴は私の言葉を聞いて、くくくっと笑った。


「おいおい、ぶっそうなこというなよ」


まるでお前にそんなことができるわけがないというように。


ヤルカ。


私はふぅと息を吐き出してから鈴の弁慶を強めに蹴った。


ガッと音がすると同時に


「くぅお!!!」


と鈴が変なうめき声をあげた。


「っなに、すんだよ!!いてぇー!」


私から離れると右ひざをさすりながら鈴は私を涙目でみる。


「鈴がいつまでもはなれないからだよ!それに警告はちゃんとしたからね!」


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