あたしはきっと君が好き
1章

1、あたしは美桜

世界は大きく、ゆっくり回っている。

誰にたいしても平等に、日光がからだの芯まで暑く照らす。月は優しく人を包み込む。

あたしはそんな世界で産まれた。

「オギャア!オギャア!」

「ねぇ、あなた?可愛い女の子ねぇ…。名前は何にします?」

「そうだなぁ…。フフフ。頬が桜のようだ。美桜、はどうかな?美しく咲く満開の桜のように、周りの人を幸せにできるように」

「みお、いい名前!」

お母さんが嬉しそうに顔をほころばせた。

あたしは周りを幸せに。
その幸せに笑顔になる人を見て幸せになるあたし。それが…あたしのお役目なの。
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