ダメ男依存症候群 EXTRA

 ピー


 何とか味のついたお粥を食べて、薬を飲んだところで、電子音が聞こえた。


「あ、洗濯終わったみたい。干さないと」

 奈津美はベッドから降りようとした。


「あ! ダメだってば、ナツ」

 旬がすかざず奈津美を押さえる。


「もー。何でナツは何でも一人でやろうとすんの?」

 まるで、いつもの奈津美のような口ぶりだった。


「だって……いつもの習慣で……」


「体調悪い時くらい、何もしなくてもいいんだよ。もっと頼ってよ」

 旬は優しく奈津美の頬を撫でた。


「洗濯物も俺が干すし、ナツは寝てて。な?」


 どうしてだろう。

 いつもはそんな風に言われても心配なだけなのに、今日の旬の言い方は、何となく頼っても大丈夫な気にさせられた。


「うん」

 奈津美は素直に頷いた。


「でも、どうやって干したらいい?」


 何のつもりもない旬の言葉に、奈津美は絶句した。


 どうして旬は、こうなのだろう。


 一生懸命なのは分かるけれど。



 結局、奈津美が布団の中から指示を出し、旬がベランダに干すということになった。


「ナツ、これこっちでいいの?」


「違う。もっと右。そっちの方が日当たりいいから」


「へー……じゃあこれはこっち?」


「そう。……あ、Tシャツはちゃんと皺伸ばしてね」


「こう?」


「あっ、そんなに引っ張ったら伸びちゃう……」


 口だけで指示をするのがもどかしい。

 洗濯物を干すというだけなのに、不慣れな旬の動きが危なっかしい。


 奈津美はハラハラしながら見ていた。


 それにしても、ベランダで洗濯物を干す旬の姿は、やっぱり不自然だ。


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