不条理な恋でも…【完】
チン!!

俺はその音に、思いっきりびっくりして、その場で跳ねてしまう。

バカだろう…

こんなものに驚かされるなんて…

俺はエレベーターを降り、急ぎ足で部屋に向かった。


早く会いたい。早く二人っきりになりたかった…

そう思いながら急いできたものの、いざ部屋の前に立ち、

呼び鈴を押そうとして、一瞬戸惑った…

ほのかはまだ、バスルームにいたりしないだろうか?

それとも、誰が来たのかわからずに怯えたりしないだろうか?

それなら俺がフロントから合鍵をもらってくればよかったのか…

そんなことにも気が回らないほど余裕のない自分に可笑しくなった。


それから…

俺はもう一度エレベーターに引き返し、フロントまで行った。

それから部屋へ戻って心の準備をしてから扉の前に立ち、静かにノックした。

しばらく待っても反応がなかったので、用意してもらった合鍵で中に入る。


暗い廊下が間接照明で照らされていた。

短い廊下を抜け、目の前に現れたドアを開けると

そこは明るいリビングだった。

中央にあるテレビがついている…

その前にあるソファーにいるのかと思い、ゆっくりと歩いて回り込んだ。
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