不条理な恋でも…【完】
ほのかの肢体を想像すると、無理矢理に鎮めたはずの欲望が、

目を覚ましてしまいそうになる…

今夜は何度これを繰り返したらいいんだ?

でもこれを繰り返すのは、この望みが叶う時だからだろう…


その時、ほのかがリビングに戻ってきた。

座ったまま振り向くとほのかの手には俺と自分の脱いだ服。

そのままベッドルームに身体を向けたので、

俺は立ち上がってほのかを呼んだ。


「服はそこに置いたらいいから、こっちにおいで…」

ほのかが俺の言葉に従って服を置き、ソファーの隣に沈み込む。

俺はもう我慢の限界とばかり、ほのかをぎゅっと抱きしめた。

湯上りの君はポカポカと温かく、その柔らかい躰の熱がゆっくりと

こちらまで移ってきて、俺の躰も火照る。


さっきまでの不快な気持ちが、ほのかに熱を分けてもらって

ゆらゆらと心地いい思いに変わる。

そんな揺らめきの中腕の力をゆるめて、

ほのかを胸に抱いたまま漂うように座っていると

俺の中で本能的な欲望が頭をもたげてきた。


マズイ。まだ早すぎる…

もう少しこのまま…

このままほのかを胸の中に感じていたいだけなのに…

裏腹な心と躰。

思うようにならない衝動。

こんな俺は嫌われてしまうのだろうか?
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