シャンゼリゼ
おまけ

橋という人





「橋ってさ、変わってるよね」



サークルの飲み会。

グレープフルーツサワーを飲み下してからそう言えば、いつもの冷たい目線が返ってくる。



「俺から言わせればお前の方が変わってるけどな」

「例えばどんなところよ」

「本人に向かって変わってるとか言うところ」

「…あは」



私はいかの塩辛を口に運びつつ笑った。

サワーに塩辛なんて奇妙な組み合わせだけど、私は強い酒が嫌いなくせに塩辛が好きなのだ。



「あ、悪い意味じゃないよ?個性的っていうか周りに流されない真っすぐさっていうかね?」

「…」

「ちょっと橋ぃ。無視すんな」

「酔っ払いうるさい」



彼は不機嫌そうにジョッキを煽る。



< 34 / 72 >

この作品をシェア

pagetop