桃色初恋、甘口キス
「告白、かぁ……」

愛ちゃんと別れて、少し遅れて部室に入る。

あの愛ちゃんが、告白……。
大人しくて控えめな愛ちゃんが……。

あたしにも、一応好きな人がいるけど……。
告白なんて絶対できないなぁ。

可愛い愛ちゃんならまだしも。
あたしみたいな可愛くない女、好きになってくれる人なんて、いるわけないし。
恋なんて出来ないし、しないんだ、あたしは。

「お~い、マネージャーの青葉さ~ん?
遅刻な上に、部活中に上の空とは、ど~ゆ~ことですか~?」

後ろから、意地悪な声。
あ~あ。面倒くさい奴に見つかってしまった。

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