桃色初恋、甘口キス
「何か気に入らなかった?
直すから、言って?」

緑木先輩は、愛ちゃんの頭を上げさせて、顔を覗き込んだ。
いつも穏やかで爽やかな先輩にしては珍しく、焦って困っているようだ。

「先輩は、優しいです。
素敵です。今も、大好きです……。
でも先輩は……。わたしを見てません……」

愛ちゃんは、硬い表情で言った。

「いや、ちゃんと……」

俺は、愛ちゃんを……。
言いかける先輩の言葉を、愛ちゃんが遮った。

「晴香なら、カレーライスを頼む。
晴香なら、ピンクより赤が好き。
晴香なら、恋愛ものよりアクションもの。
晴香と愛ちゃんは違うね」

「え……?」
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