本当の幸せを君に…
少し膨れる律。
「はいはい~そんで用あるんじゃないの?」
「いや、暇だったから。優は帰っちゃうし」
「なに?もう七瀬帰ったの?」
「最近帰るの早いよ。デートかな?」
「は?デート?!」
「だって優だよ‽!彼氏居ないと思う?
 あんなに告白されまくっといて彼氏が居ない
 わけがないじゃん!」
確かに七瀬の話題はよく聞く。
職員室でも男子生徒からでも。
顔も良くて頭も良ければモテないわけないか…
でも少しショック。

だって…
「陸斗にぃは優が好きだから心配?(ニヤニヤ」
「バッカ!‽ちげーよ!!!」
「そう言いつつ好きなくせに~
 私が中学の頃から言ってたよね(笑)」
「なっ…」
「この子可愛いなぁって。まさか将来、自分の生徒になるとは…ね?」

律と七瀬が通ってた中学からこの東堂に来たのは4人だけだ。

律、七瀬、坂本彼方、木原拓
4人が通ってたのは県立のエスカレーター式の学校。
でも編入試験を受けて東堂に来た。
だからもともと頭はいい。
なんだかんだ、律も良い方だ。
「確かに七瀬は可愛いけど…」
「けど?」
「生徒じゃん!!!しかも俺のクラスの!!!」
「禁断の恋かぁ」
「馬鹿にすんなよ律!俺は社会人だ!」
「だから何よ?別に好きになったって良いじゃない!」

別に100%ダメではない。
でも今は教師と生徒。
一応ダメだろ…
ただ自分の中では嘘は着きたくない。
七瀬が好きだよ。七瀬が中学の頃から…
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