お姫様の召使の言いなり
はじまり

唐突でなければ出会いではない

彼女に出会ったのは、近所のとある公園だった。


桜も、まだ蕾の季節。



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ぼくがここに来たのに特に意味はなく、かといっていつもここに来ているのかと聞かれればそんなこともなく。



ただふらっと。



確か桜の木があったから蕾の様子を見てみようか。



ここに来たのは、そんな軽い気持ちからだったのだ。



だけど、この出会いは偶然ではなく必然だったのだ。



…と、16といういい歳を忘れて言ってしまいたくなるくらいに、ロマンチックな出会いが、そこにはあった。



“緑の黒髪”という言葉をご存知だろうか。



「黒髪なのか緑なのかどっちなんだよ!?」と思った方には是非辞書を引いて頂きたい。



つまり、黒髪の美少女がいたのだ。



鎖骨よりも少し長いくらいの、真っ直ぐに伸びた髪。



今日は日射しがなかなか強いから、そのお陰か天使のリングが輝いていた。



見たところ素顔だけど、なかなかに整った面立ち。



たぶん化粧とかしたらその辺のアイドルなんかよりかわいくなっちゃうと思う。



私服だからわからないけど、ぱっとみ年下っぽい。



中学生かな。



ベンチにもたれてうたた寝をしていた。



ということは近所の人なんだろうけど…こんなこ見たことない。



自分で言うのもなんだけど、顔の広さにはちょっと自信あったのにな。



まさか引っ越してきた転校生とか?



でも丁度新学期だし、あり得なくもないか。



さすがに見ず知らずの女の子が寝ている隣に座るわけにもいかないので、そのまま帰ろうと踵を返した。



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