青空の下を駆けた日々~小さな約束~



近田君が3塁ベースを周とうとしたとき、相手チームのライトの選手がボールをホームへ向かって投げる。


ファーストでカット。



ファーストの子がカットしたボールを投げるのと、近田君がホームへのまん中の白線を越えたのは、ほぼ同時だった。


まん中の白線を越えたら、もう3塁ベースには戻れない。


後は全力で走るだけ。


「「「いっっけぇぇぇぇぇっ!!」」」


結果は......



「セーフ、セーフッ!」



「やったーー!」


見事に生還した近田君の一番近くにいた私は、思わず首に抱きついた。


「わぁ!先制点だよ、綾花!!」


近田君は急に抱きついた私に驚いていたけれど、すぐににっこり笑ってくれた。


「うんっ、やったね。私もがんばってくるから!」


私も最高の笑顔で答えた。


次のバッターは5番の私。


がんばって絶対和田君をホームに返す。


私はそう心に決めた。
< 7 / 36 >

この作品をシェア

pagetop