緑の風と小さな光 第1部
「さあ、今度こそ出発だ!」

セレ達は村を後にした。


村を出て、しばらくしてから突然セレが何かを思い出したように声を出した。

「あっ…!」

「何だ?」

エルグがたずねた。

「結局、温泉に入れなかったなぁ…」

セレは肩を落とした。

「あはは…」

最初に笑ったのはピアリだった。

こんな事でガッカリする姿がセレらしくなくて、何だか可笑しかった。

エルグとルルグも思わずもらい笑いだ。



穏やかなみんなの笑顔に、セレは不思議なほどの幸せを感じた。



…いつまでもこの旅が続けばいい…



そんな祈りにも似た感情がセレの胸に湧き上がっていた…






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