もう一度、逢えたら…
すると、

「えっ、もう終わったの?」

と言って、
浦野君は一生懸命に、あとを続けた。


私は短い台詞を言って、
彼の一生懸命な姿を見ていると、
申し訳ないなと思うのと同時に、

(あんなに頑張って言ってる。

女の子に無理させちゃ悪いと思ったのかな?)


ちょっと彼の気持ちを嬉しく感じた。


全ての台詞を言い終わったとき、
彼が私に言った。


「遠藤さん、さすがだね。

俺は、ボロボロだったよ。」


私は前に出ていた事と緊張で、
何も答えられなくなってしまっていた。


でも、心の中で思った。

(浦野君、
長い台詞を自分から言ってくれて、
本当にありがとう。)

と。
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