もう一度、逢えたら…
私は自分が計測する最後の生徒が、
プールサイドに手が触れた瞬間にタイムウォッチを押し、
タイムを確認すると、
それを持っていた記録用紙に記録した。


これで、私の仕事は終わったと
立ち上がって後ろ側を振り向いた。


すると、もう目の前に浦野君が立っていた。


「記録用紙とタイムウォッチ貸して。」


浦野君は、そう言って手を伸ばしてきた。


私は焦ってしまった。


自分の仕事が終わったので、
同じコースの次の担当である、
同じクラスの体育委員だった浦野君が来ることは解っていた。


でも、
まだそこにいるとは思っていなかった。
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