999本のバラ
ドンドンと音をたてながら急いで階段を降りる。

リビングに近づくにつれて、朝ご飯の匂いがしてきた。

「莉子、やっと起きたのね。早くしないと遅刻するわよ」

食器洗いを終えたお母さんが手を拭きながら言う。

「わかってるってば…!!」

今日は、大好きなミートスパゲティなのに…

食べたい衝動に駆られる。

けど、食べてる余裕なんてない。

「夜に食べるから、置いといて!…いってきまーす」

私は急いで玄関を飛び出した。
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