あの夏のキミへ
第十一章  気持ち
「んっ…」

ここは…どこ?

目の前には無機質な白色が見える。

「あ、気がついたかしら!」

わたしの視界に突然顔が入ってきた。

「……あの…」

ゆっくり起き上がると、簡易ベッドらしきものに寝ていたことに気づく。

「覚えてない?取り乱しちゃったから鎮静剤打ったのよ」

「…ぁ」

そうだ………わたし…

「…すいませんっ」

「いいのよいいのよ!」

よくあることだから!と今日何度見たかわからない笑顔を向けてきた。

「いい忘れてたけど、わたし伊勢崎直っていいます。東病棟5階ナースステーション主任で通ってるわ」

主任か……

どうりで患者たちの扱いに慣れてるなって思ってたんだよね。
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