あの夏のキミへ
わたしは目を見開いた。

「えっ...」

「だから、俺も光がスキなんだ...」

顔を伏せて再びそういった蓮。

照れてるのかな...

「正直屋上であった時は辛かった。でも今はそんな気持ちが消えてしまうくらい光がスキなんだっ。俺が生きてたって証拠を、光に焼き付けたい...」

「蓮...」

わたしは恥ずかしくて、でもうれしくて、蓮の服に再び顔を埋めた。

すると蓮もわたしの背中に手を回してきて、わたしと蓮はぴったりとくっついた。

全身で感じる、

心臓の鼓動

温かい体温

熱い吐息

腕に込められた強い力。

あぁ...生きてるんだ...

わたしも、蓮も。

それがどうしようもなく、嬉しいの。
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