あの夏のキミへ
「さてと、どうするか?」

「…なにが」

「夕飯だよ、夕飯!光だって腹減ってるだろ?」

…あ、今までそんなの忘れてた。

現在の状況がいつもとあまりにも違いすぎて、お腹が減るも減らないも考えてなかった。

意識すると、気づいてなかった空腹感が一気に押し寄せる。

と同時に、ぐぅーっという音がわたしのお腹になり響いた。

う、恥ずかしい…。

慌ててお腹を押さえた。

「ははっ。あ、あそこの民家になんか売ってねーかな」

そう言って駅の後ろ側にある民家を指差す。

「行ってみればいいじゃん」

「そうだな、行こうか」

「ん。」

またあのお決まりの返事をして、制服のジャケットだけを残し、一旦海を出た。

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