オレ様探偵とキケンな調査
───ドサッ


後ろで鈍い音が聞こえた。


振り返ると、そこにはお腹を抱えて倒れ込んだ由香さんが苦しげな表情で信吾さんの名前を呼んでいる。


床には大量の血が広がっていた。


「由香!!」


「鳴海課長…お腹が…赤ちゃんが…!」


「待ってろ。すぐに救急車呼ぶからなっ」


緊迫した空気の部屋を、あたしは何も言わずに去った。


翌日、離婚届にサインをしたその日が赤ちゃんの命日になったと知っても、あたしは何も感じなかった。
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