オレ様探偵とキケンな調査

「鳴海、さん…?」


…?


背後からの覚えのある声に振り向くと、そこには小松さんがいた。


「鳴海さん、どうされたんですか?」


「小松さん…。小松さんこそ…?」


「今日は１日、お休みをいただいておりまして」


「珍しいですね?」


「はい。今日は妻の命日でして」


「そう…だったんですか…」


「墓参りのついでに、妻の好きだったこの公園に立ち寄ったんです」


「桜…?」


「はい。妻はここの桜が好きでした」


そう言って目を細める小松さんに、由香さんが重なった。


愛していた奥さんを想って空を見上げる小松さん。


愛そうとしていた子供を想ってお腹を見つめているだろう由香さん。


そう考えると自然と涙が溢れた。