オレ様探偵とキケンな調査
「バンビーノちゃん、いませんかぁ?」


小声で名前を呼びながら、家の軒先や車のボンネットの上を見つつ、のろのろと歩いて回る。


「バンビーノちゃん…」


スッ…と、後ろを何かが通った気がした。


振り向くと空き地を隔てる塀の下に、犬や猫がちょうど通り道にしそうな穴を発見。


あたしの体なら入れそうかな…。


まずはゲージを入れて、続いてあたしも窮屈な穴にお尻を押し込める。


「バンビーノちゃん…?」


芝生の上に無造作に置かれたたくさんの木材とトタン板。


そのトタン板の日射しの中に、一匹の猫を発見!


「バンビーノちゃん?」


むくり、と、顔を上げてあたしを見たのは、間違いなく写真のマンチカン。


「おいで、バンビーノちゃん」


逃げられないよう、少しずつ少しずつにじり寄る。


「怖くないよ?おいで?」


あと2m、というところでバンビーノちゃんは毛を逆立て、フーッ!と大きないさみ声を上げた。


「怒らないでね?いい子だから…コレ、マタタビだよ?」


「フーッ!」


バンビーノちゃんは一歩、また一歩と後ずさりしながら怖い声を上げる。


でも、今日が初仕事のあたし、見つけておいてここで引き下がるわけにはいかない。
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