オレ様探偵とキケンな調査
⑩散らばった心
翌日、日曜日もお弁当を持って出社。


「おはようございまぁす」


「椿、客」


「えっ?あたしに?」


昨夜、許し合い、愛し合えたはずなのに、帯金さんは不機嫌。


お弁当を持ったまま奥の応接セットのソファーを覗くと、そこにはまさかの颯太くんがいた。


「椿さん…!」


「颯太くん…フフッ、ひどい顔だね?」


颯太くんの眼鏡の奥の甘いマスクは、昨日、帯金さんに殴られたせいでひどいあらさまだった。


「大丈夫?」


「強姦未遂の坊やを心配するバカな女がどこにいるんだよ?」


「帯金さん、ひどいです。相手は未成年ですよ?」


「フンッ、知るか」


そう言いながら帯金さんは颯太くんの向かいのソファーにドカッと音を立てて座った。
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