オレ様探偵とキケンな調査
離れても忘れられない体温。


とっさの行動とはいえ、あんなに強く、あんなに優しく長く抱き締めてくれていたのは…なぜ?


聞きたいけれど答えを出されてしまったら、この体温が一気に奪われてしまう気がして、あたしは口をつぐんだ。


「写メ、撮り損ねちまったな」


帯金さんはスーツのポケットから手帳を取り出し、日付、時間、信吾さん達の外出の目的を記して、腕時計に目をやった。


「30分もすれば買い物から戻ってきちまうな。近くにコンビニも喫茶店もナシ。今日はもう上がるか」


「いいんですか?」


「メシ食ったらヤることはわかってる。旦那が帰ってきた時間、メモっとけ」


「…わかりました」


帰り道の手袋半分コ。


空からは雪が舞い降りた。
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