オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


「冗談」

と言って私を元に戻してく。


冗談って、どっち……?


「ほら、帰る準備」


「あ、うん」


そんな疑問を持ちながらも、

慌ててカバンを持つと大神くんは教室から出た。

今日はレッスンしないのかな?


「遅いよ、赤ずきんちゃん」


「ご……ごめんね!」


最近、よく不思議な気持ちになる。


レッスンを受け終わった後、

必ず家まで送ってくれる大神くん。


意地悪なことばかりしてくるけれど

最後は絶対優しくて……


『触れるんなら、もう僕は必要ない』


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