オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
僕はにやりと笑って手を挙げた。
「僕がオオカミくんなら、赤月さんが赤ずきんって
どうかな?とっても面白いと思うんだけど……」
「あーなるほど、でも……ね」
女子がそんな反応をする事は分かっていた。
だから僕は完璧な大神くんとして言った。
「やっぱりさ、文化祭って普段話せない人とも
交流を深められるチャンスだと思うんだ
ここでいつものメンバーだと内輪だけになっちゃうから
こういうのもいいんじゃないかなと思ったんだけど……
どうかな?」
僕が少し弱気な顔をして、クラスを見渡す。