オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


嬉しくないわけがない。


「真剣だよ、僕だって

ムカつくけど本気なんだ

赤月さん、

キミを他の男には渡したくない」


まっすぐに見つめる目に、私も視線を返す。

ポロポロと涙がこぼれてぼやけてしまうけれど

彼が好きなんだって言葉が詰まって言えない分

感情で示した。


「は?お前何言ってんだよ……今は俺が、」


「石渡くん……ごめんなさい。

告白すっごく嬉しかったけど、私……

大神くんの事が好きなんです」


この学校に入って初めて人を好きになった。

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