オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


「これで分からない?

僕の気持ち。」


温かくて、優しく、でもしっかりと抱きしめる大神くん。

その温もりを感じてしまえば、分からないとは言えない。


だって、こんなにも愛しいって伝わってくるから。


ドキ、ドキ、ドキ。

心臓が早く動く。


私もぎゅっと彼の背中に手を回して、顔をうずめると

大神くんは言った。


「伝わったろ?」


こくこくとうなづく。

だけど……


「本当に合ってるか分からないよ」


やっぱりその言葉が聞きたくて、そうやって言うと

大神くんはため息をついて言った。




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