オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
そんな表情で顔を上げてみると
「いた!里絵!
やっと見つけた〜」
「ちーちゃん……」
ぶつかった相手は探していたちーちゃんだったから安心感で涙が出そうになった。
「もう〜だから離れないでって言ったのに」
私の友達。
ちーちゃんこと、川口千奈ちゃん。
長い黒髪がよく似合う美人さんで
小、中、高と同じ学校の幼馴染みたいな感じ。
朝も、学校まで一緒に来ていたのに、学校に入ると人が多すぎてはぐれちゃって……
「怖かったよぅ」
私はちーちゃんに泣きついた。