暖かい陽射しが注ぐ小春日和。


風はまだ肌寒い。




『おはよう!律子おばちゃん!』




『おはよう陽菜ちゃん。』







私たちは今年。六年生になった。





『おばちゃん。心汰は?』


『まだ起きてこないの。』

律子おばちゃんは

私の幼馴染みの
心汰
と、蘭汰
のお母さん。

呆れたように
ため息をつき


階段の下から心汰に呼び掛ける。



『おばちゃん。このホットケーキおいしそうだね。』



『ふふ。食べていいよ。』





心汰を待ちながら
ホットケーキを頬張った。



『心汰ぁ!ほら陽菜ちゃん来てるから!』








タンタンタンタン





小さな足音が鳴り

しっかり着替えてランドセルを背負った心汰が降りてきた。



『心汰おはよう!』

「うん。おはよう陽菜ちゃん。」


『準備出来てるんじゃない。ご飯食べて?』



「いいんだ。もう行こう陽菜ちゃん。」


『え!』

『一枚くらい食べてきなさいよー。』




心汰は玄関に向かい靴を履き始めた。


私はまだホットケーキを食べたかったけど。




あとを追うことにする。



< 1 / 32 >

この作品をシェア

pagetop