実らぬ恋〜『コンビニに行こう!』番外編〜

ハルちゃんを片手で抱き、もう片方の手でハルちゃんの荷物を拾い上げた純さんは、何も言わずに出ていこうとした。


肩を震わせながら純さんに掛けられた上着をきつく抱き締め泣いているハルちゃん…。



俺は咄嗟にハルちゃんの名前を叫んだ。



その声に、ビクつくハルちゃん…。



もう…振り向いてもくれなかった…。



当たり前か…



俺はそれほどハルちゃんを傷つけ…怖がらせたんだ。



そんな俺に追い討ちをかけるように、純さんが口を開いた。




『孝太…お前のやり方はハルちゃんを泣かせてまで奪うことなのか?』




ワナワナと声を震わせる…。


低い…唸るような声…。



純さんの怒りが…



俺を包んだ…。



今の俺には一番突き刺さる言葉だった。





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