はまきり

2.入寮テスト






2.入寮テスト







「あのっ!…あの、どこへ行くんですか?」







少女の声で我に返った。


「あ、ごめん…。」


気がつかない間に掴んでいた少女の腕を離した。


俺の掴んだ制服にはシワが着いていた。


「…平気です。…あの、ありがとうございました。」


少女は丁寧に頭を下げた。


「え?あ、あぁ…」


「その…迷惑かけてごめんなさい。私、1年の中谷悠っていいます。」


「1年なんだ、俺と一緒だ。俺は野添桐…」


「よろしくお願いします…」


「こちらこそ。」


「……。」


「……。」










< 11 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop