ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
「クレア王妃が動き出したな・・・」
オズヴェルドの言葉で現実味が増す。
「よし。ユノ、ダンスの復習をしておけ。それからドレスを作るから、明日一日空けておくように」
「はい」
急に締まった空気を醸し出されて、思わず返事も固くなったゆの。
「・・・すまない。ユノは俺が守るから心配するな」
チョコレート色の瞳を優しげに染めてゆのの頭を撫でるオズヴェルド。
「うん。ダンスの復習しっかりしておくね! それから・・・ドレスを作るっていうのは・・・?」
「ユノ用のドレスをオーダーメイドで作る」
「え!」
ただでさえドレスというだけで高そうなのに・・・オーダーメイドのドレスだなんて。
「ユノのワンピースを作ってくれている仕立て屋に頼む。何か・・・嫌なことがあるのか?」
「だって・・・オーダーメイドだなんて」
「ユノは俺の側室だ。それが普通だ」
なんだか気後れしてしまいそうだ。
「明日の手配をしてくる。またな、ユノ」
きっと急に決まったパーティーのことで忙しいのだろう。
足早に部屋を出て行ってしまった。