危険なアイツと同居生活






家に帰ると、珍しく蒼がギターの練習をしていた。

流れるような綺麗な音色が聞こえてくる。

いつもは優弥さんのスタジオで練習しているらしいが、何で今日は……

聞いたこともない旋律につられ、あたしは蒼の部屋を覗いていた。





「あ、唯ちゃん」




蒼はぱっと顔を上げてあたしを見る。

いつもの子犬みたいな笑顔で。

その微笑みに、いちいちどきんとしてしまう。





「どうしたの?珍しいね」




そう聞くと、




「ちょっとね……」




蒼は複雑な顔をする。




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