愛してるの言葉が欲しい

たまに寂しそうな顔で微笑む百合ママからは、今まで抱いていた強い女性、というイメージとは異なっていて


でも、そういう一面に出会うと私達は親密になりつつあるのだと感じていた



ーーが、一方で


半年も経つのに未だ不思議だらけの男が、この弓月という男である


苗字も知らないし、年もしらない


いつ来てもこの部屋にいるから、仕事も住んでるところも知らない


この半年で知ったのは、口数は少なく偏食、その上小食な男だということ


そうすると益々不思議なのが、そんな男が何故あの時、私に声をかけたのだろうということで


明らかに他人に興味のなさそうな男なのだ、弓月、という男は


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