恋色花火
告白なんて……ぜんぜんしようと思わなかった。
振られたら、その後今の"ともだち"のポジションまでなくなると思ってた。
だけどナミの言うとおり……ユウヤはそんなことを態度に出すような人じゃない。
それに、今クラスで一番仲がいい女子はあたしとナミだから……なんて嫌な期待もしてしまう。
ベッドの中でうずくまって、そんなことをずっと考えていた。
浴衣もまだ袋から出さず、部屋の入り口に置いてある。
そして意味も無く、スマホの画面にユウヤのアドレスなんか出してしまっている。
……今、何してるんだろう。
無性にそんなことが気になる。
彼の笑顔が脳裏に浮かんで、泣きたくなる。
……こんなあたしがいるなんて、恋をするまでは全く知らなかった。
あたしがあたしじゃないみたい……。