新宿のデカ
 人事など、デカにとって、仕方ないものなのだから……。


 前を見据えていくしかない。


 そして一課の関係者が、警視庁広域指定七×二事件において、殺人の実行犯である羽野和夫と、それを教唆した衛藤稀人を追い詰めているらしい。


 きっと川倉や幸島もしっかりやっているのだろう。


 いつも見守っていた。


 陰で、である。


 俺も元々寡黙な方だったし、島田が喋りかけても、そうたくさん話をすることはない。


 警察も暇なしで、今日は祭日なのだが、午後から島田と共に歌舞伎町をパトロールする。


 ずっと思っていた。


 現役の所轄の刑事には仕事が山積みされると。


 そしてその日の午後、署を出、歌舞伎町へと向かった。


 この街は悪の巣窟だ。




< 383 / 810 >

この作品をシェア

pagetop