新宿のデカ
第53章
     53
 土曜の午後は課内庶務で全部の時間が潰れてしまった。


 デスクに就き、淡々と仕事をこなす。


 そしてその日の業務が終わり、午後九時過ぎに署を出てから、歩き出した。


 古賀や月創会幹部が潜んでいた信濃町のサティアンはすぐ近くにある。


 不気味なところだ。


 さすがにデカでもあの組織だけは怖がる。


 暴力団などと癒着しているからだった。


 普段、マル暴もずっとヤクザを泳がせておく。


 そして何かがあればすぐに出動し、令状を取って、一斉検挙するのだ。


 暴力団は常に街に出没している。


 警察の目などあまり気にせずに。


 だが、マル暴もバカじゃないから、何もしないわけじゃなくて絶えず接触を試みる。
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