新宿のデカ
第63章
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 ブルガビール島は、きっと蒸し暑いだろう。


 何せ、あそこは赤道直下で亜熱帯だからだ。


 年中気温が下がらない。


 おそらく羽野と衛藤はあの島に潜伏していれば、逃げ切れるとでも感じていたのだろう。


 だが、殺人事件の公訴時効は撤廃されている。


 警官たちも殺人や強盗などの凶悪事件は、無限に追い続けられるのだ。


 思っていた。


 逆に島に逃げ込んでいれば、袋のネズミである。


 日本から警視庁の捜査員が出動し、現地の警察官たちと共に捜査班を作れば、羽野らは逃げ場がない。


 どう考えても、こっちの勝ちだった。


 まあ、元々羽野和夫が引き起こした事件を、衛藤稀人が庇っている。


 そして揃った形で海外へ逃げおおせたのだ。
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