ストレイトガール
「やあ!ストレイトガール!」



私に気付いた先輩が、金網越しに手を振った。散歩の時間は、野球部の休憩時間に合わせていた。


「お疲れ様でーす!」



大げさにブンブンと手を振ると、小走りで来てくれた。



言いたいことは、ズバッと言っちゃう。ウソがつけない、良く言えば素直な私…。



野球部の部員には『ストレイトガール』と呼ばれていた私にも、ひとつだけ、素直に言えないことがあった。



でも、今日だけは言えるんだ。年に一度、今日だけは…。



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