一週間だけ付き合って



「俺って優しいよな。」


「ど、どこがっ!」


「お前のファーストキス、奪わなかったから。あ、それとも、奪われたかった?」


「なわけないでしょっ!」


「わーってるよ。帰るか。」


「…うん。」


おでこだけどキスされたからまだ心臓がドキドキいってる…。


西村君ったら、顔色一つ変えないでさ。
私ばっかりひどい!

そーだ、いいこと考えた!


ーーーーーーーーーー
ーーーーーーー



家に着いた。



「じゃあな。」


そう言って帰ろうとする西村君。


「あ、待って。」


西村君を引き止めて少し背伸びして、


ーーチュッ


西村君のほっぺにキスしました。


ふふーん、これで西村君も顔が真っ赤なはず。

チラリと西村君を見る。
でも…全然顔が真っ赤じゃなかった。
むしろ、意地悪そうに笑ってる。


「それ、誘ってるの? そんなことされると俺、キスしたくなるんだけど。」


「んなっ! 誘ってないっ!
じゃあね、バイバイ!」


私は急いで家の中に入る。


だから、西村君が


「ったく、可愛すぎるんだよ。あのバカ。」


って言ってるのは知らない。
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